遺産分割調停・審判の手続きと進め方について

松村弁護士
代表弁護士 松村 武 (まつむら たけし)

遺産分割協議がまとまらない場合は調停を利用することができる

相続人同士の遺産分割の話し合いがまとまらない場合は、どのように解決したらよいのでしょうか?

相続人同士で話し合いを続けても結論がまとまらない場合は、裁判所の「遺産分割調停」の制度を利用することができます。

今回は、遺産分割の話し合いがまとまらなくて悩んでいる方のために、遺産分割調停の制度について紹介します。

なお、下記はあくまで一般的なご説明です。遺産分割には様々な方法がありますので、遺産分割調停を利用するべきかどうかは、ご自身の状況に応じてケースバイケースに判断しなければいけません。

ご自身の状況に即して具体的なアドバイスをお聞きしたいという方は、当事務所にお問い合わせください。弁護士が詳細をお聞き取りしたうえで、個別状況に即したアドバイスを行います。

当事務所には、弁護士経験20年以上の実績のある弁護士が在籍しており、これまでに数多くの遺産分割の案件を取り扱った実績がございます。遺産分割がまとまらなくてお悩みの方は、どうぞ安心してご相談ください。

遺産分割調停・審判の流れ

相続人同士の話し合いがまとまらない場合は、裁判所の「遺産分割調停」の制度を利用することができます。遺産分割調停を利用すると、どのような流れで手続きが進んでいくのでしょうか?

時系列に沿って見ていきましょう。

第1ステップ:まずは相続人同士で話し合いを進める

相続が開始すると、まずは相続人全員で集まって、遺産分割について話し合いを行います。全員の意見が合致すれば、そこで遺産分割協議は終了となります。

遺産分割協議を成立させるためには、「相続人全員の合意」が必要です。一人でも賛成しない場合は、遺産分割協議は成立しません。

第2ステップ:家庭裁判所で遺産分割調停を行う

相続人同士でいくら話し合っても、結論がまとまらない場合は、家庭裁判所で「遺産分割調停」を行うことができます。

「遺産分割調停」とは、家庭裁判所において、調停委員会を交えて話し合いを行うことです。

遺産分割調停は、あくまで「話し合い」です。強制力はありません。ただし、第1ステップの相続人間の話し合いとは大きく異なる点は、「調停委員会」という第三者が介在するという点です。

調停委員会は、裁判官1名と調停委員2名で構成されます。調停委員会は、客観的な第三者として、相続人全員の言い分を聞き取り、公正な立場からアドバイスをしてくれます。

客観的な第三者が手助けをしてくれるため、相続人同士が感情的な言い争いをすることを避けることができます。

また、調停委員会が進行をとりしきってくれるため、「法律的に重要なポイントに絞って、効率的に話し合いを進めることができる」というメリットがあります。

第3ステップ:調停でも解決できない場合は審判となる

遺産分割調停は、あくまで「話し合い」をまとめるための場であるため、強制力はありません。一人でも反対者がいる場合は、調停は成立しません。

調停でも解決しない場合は、「遺産分割審判」に移行します。

遺産分割審判とは、「家庭裁判所の裁判官が、法律に従って遺産分割の方法を決定する」という手続きです。裁判官の決定には強制力がありますので、相続人全員が従わなければいけません。

第4ステップ:審判に納得いかない場合は即時抗告ができる

遺産分割審判には強制力がありますので、内容に不満があっても、基本的には従わなければいけません。

ただし、どうしても遺産分割審判で決定された内容に納得ができないという場合は、「即時抗告(そくじこうこく)」を行うことができます。

即時抗告を行うと、高等裁判所の裁判官が、審判の内容に不備がないかどうかを審査してくれます。

なお、即時抗告には期限があるため、注意が必要です。即時抗告は、「審判の告知を受けた日から2週間以内」に行わなければいけません。

即時抗告をするかどうか迷っていると、あっという間に2週間が過ぎてしまいます。即時抗告をする場合には、2週間以内に審判の内容を精査して、即時抗告に必要な書類をそろえなければいけませんので、迅速に準備を進めることが必要です。

調停は弁護士に依頼したほうが有利に進められる

遺産分割調停は、弁護士を代理人とすることが義務とはされていませんので、ご自身で手続きを行うことも可能です。しかし、弁護士に依頼するといくつかのメリットがあります。

調停委員会は相続人の一部の味方となることはできない

調停委員会は、裁判所に属する組織です。公平な立場で話し合いを進めてくれるというメリットがありますが、相続人の一部の味方をすることができないというデメリットがあります。

例えば、相続人の1人にだけ有利となる事実があっても、そのことを指摘すると話し合いが長引くという場合には、あえてその事実にはふれないということも考えられます。

これに対して、弁護士にご依頼した場合は、弁護士はその方の代理人となりますので、ご依頼した方にとって最大限に有利となるように話し合いを進めます。

依頼者の主張が認められるように、法律的な観点から必要不可欠な主張、そして証拠資料を提出しながら、調停を進めて行きます。

弁護士は、いわばクライアントの「分身」です。もしクライアントにとって有利となる事実があれば、即座にその事実を指摘して、法的な論理をもとに話し合いを有利な方向に導きます。

即時抗告にそなえることができる

遺産分割審判に不服がある場合は、2週間以内に即時抗告を行わなければいけません。

遺産分割調停の段階から、当事務所にご依頼していただいた場合は、審判が出た段階で、すぐに当事務所の弁護士が内容を精査いたします。

もし即時抗告が必要であれば、迅速に必要な書類をとりそろえて、即時抗告の手続きを行います。

これに対して、審判が出た段階で弁護士を探そうとした場合には、すぐには弁護士が見つからないおそれがあります。弁護士が見つかったとしても、即時抗告をする期限に間に合わないかもしれません。

即時抗告は、法的に専門性の高い手続きです。即時抗告を行うと、高等裁判所で追加の主張や立証を行う必要が出てくる可能性もあります。即時抗告にそなえるためにも、遺産分割調停の段階から弁護士にご依頼しておくことが安心です。

遺産分割調停や審判でお悩みの方は当事務所までご相談ください

遺産分割調停は、家庭裁判所で行われる手続きです。ご自身で手続きを行うことも可能ですが、弁護士にご依頼した場合は、ご依頼した方にとって最大限に有利となるように弁護士がサポートいたします。

また、調停の段階から弁護士にご依頼していれば、即時抗告が必要な場合に迅速に対応できるというメリットもあります。

当事務所では日頃から相続の案件に力を入れており、これまでに数多くの遺産分割調停・調停を取り扱った実績がございます。遺産分割調停や審判についてお悩みの方は、どうぞ安心して当事務所にご相談ください。

遺産分割調停・審判についてのご相談は、初回60分のみ無料で受け付けております。遺産分割がまとまらなくてお悩みの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

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