相続人調査を正確に行う方法|戸籍調査を活用する

遺産分割協議を始める前に相続人を確定させる必要がある

遺産分割をまとめるためには、必ず「相続人全員の合意」が必要です。相続人が1人でも欠けた状態で遺産分割を行うと、その遺産分割協議は無効となります。

有効な遺産分割を行うためには、あらかじめ「誰が相続人となるのか」について調査を行い、きちんと相続人を確定する必要があります。

今回の記事では、「どのように相続人を確定するのか」という調査方法を紹介し、調査を行ううえでの注意点も紹介します。

なお、下記はあくまで一般的なご説明です。相続人の調査方法には様々な方法がありますので、個別状況に応じてケースバイケースに判断することが必要です。ご自身の状況に応じて具体的なアドバイスをお聞きしたいという方は、当事務所までご相談ください。

当事務所には、弁護士経験20年以上の実績のある弁護士が在籍しており、これまでに数多くの相続の案件を取り扱った実績がございます。相続人の調査でお悩みの方は、どうぞ安心してご相談ください。

相続人が1人でも参加していなかった遺産分割は無効となる

相続人の調査をきちんと行わなかった場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

遺産分割協議は、必ず「相続人全員」で行わなければいけません。「相続人全員で行う」ということは、「遺産分割協議書に相続人全員の署名捺印を行う」ということです。

全員の署名捺印がなされていない場合、その遺産分割は無効となります。

実は、「相続人の1人が参加していなかったために、遺産分割が無効となる」ということは、実務上では珍しいことではありません。

例えば、お亡くなりになった方に離婚歴がある場合に、前妻との間の子どもが相続人となることがあります。しかし、ご遺族の方がその子どもの存在を知らないために、その子どもが遺産分割に参加しないうちに、遺産分割協議が終了してしまうことがあります。

特に、お亡くなりになった方が離婚後にその子どもと一度も連絡を取っていなかった場合や、離婚や再婚を繰り返していたために親族関係が複雑である場合には、ご遺族の方がその子どもの存在に気が付かない可能性が高くなります。

このように、相続人の1人が参加しないうちに遺産分割を行ったとしても、法律上は無効となります。法的な効力がありませんので、改めてその相続人を呼び出して、一から話し合いをやり直さなければいけません。

このようなリスクを避けるためにも、遺産分割を行う際には、「あらかじめ相続人をきちんと調査して確定しておくこと」が必要です。

相続人調査では戸籍調査を行わなければならない

相続人の調査は、お亡くなりになった方の戸籍の記録を確認することによって行います。

お亡くなりになった時点での戸籍だけでなく、生まれた日から死亡日までの連続した戸籍を全て取り寄せなければいけません。

それでは、どのようにして全ての戸籍を取り寄せるのでしょうか?

最新の戸籍から古い戸籍をたどっていく

相続の書類としては、必ず「連続した」戸籍が必要です。1通でも戸籍が欠けていると、正確な相続人を調べることはできません。

戸籍が欠けることを防ぐために、実務では、「最新の戸籍から古い戸籍を順にたどっていく」という方法が採用されています。

まず最初に、お亡くなりになった方の「最新の戸籍」を取り寄せます。最新の戸籍とは、死亡記録が記載されている戸籍のことです。本籍地がわからない場合は、まずは最寄りの役所で住民票を取り寄せて、最後の本籍地を調べます。

最新の戸籍を確認して、「戸籍編製」や「従前戸籍」という言葉が記載されている場合は、それよりも古い戸籍があるということです。最新の戸籍に記載されている事項を手がかりにして、1つ前の戸籍を取り寄せます。

このような手順を繰り返して、出生日までの戸籍を順番に取り寄せます。

いくつもの役所に問い合わせなければいけないことが一般的

全ての戸籍を1つの役所から取り寄せることができるケースは、めったにありません。多くの場合、引っ越しや結婚によって本籍地を何回か変更していますので、いくつかの役所に問い合わせなければいけません。

取り寄せる戸籍の数は、本籍地を移動した回数によりますが、一般的には、3〜5通ほどの戸籍が必要となります。親族関係が複雑である場合は、10通以上の戸籍が必要となることもあります。

戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い

実は、「戸籍」と一言でいっても、様々な種類があります。このため、戸籍を調査していると、聞き慣れない言葉を耳にすることがあります。「戸籍謄本」や「除籍謄本」や「改製原戸籍」という言葉です。

それぞれの言葉の意味を正確に理解していなければ、正しく調査を行うことができません。

戸籍謄本とは

戸籍謄本(こせきとうほん)とは、同一の戸籍に載っている全員の情報が記載された記録です。

例えば、妻や子どもがいる方が戸籍謄本を取り寄せると、ご自身の情報だけでなく、妻や子どもの情報も記載されています。

相続の調査では、家族全員の情報が必要となるので、この「戸籍謄本」を取り寄せることが必要となります。

戸籍謄本は、「全部事項証明書」と呼ばれることもあります。

戸籍抄本とは

「戸籍謄本」に対して、戸籍に載っている一部の人の情報のみを記載した記録を、「戸籍抄本(こせきしょうほん)」といいます。「個人事項証明書」とも呼ばれます。

除籍謄本とは

除籍謄本(じょせきとうほん)とは、既に閉鎖された戸籍の記録のことです。

戸籍に記載されている人物が全て居なくなった場合、その戸籍は閉鎖されます。

例えば、戸籍に載っている人物が全員亡くなった場合や、結婚や転籍によって全員が戸籍からいなくなった場合には、その戸籍は閉鎖されます。

戸籍が閉鎖されても、その記録は抹消されるわけではありません。「除籍(じょせき)」として役所に記録され続けます。この記録のことを、「除籍謄本(じょせきとうほん)」といいます。

改製原戸籍とは

戸籍の形式は、コンピューターの導入などを理由として、全国的に作り直されることがあります。作り直される前の古い戸籍のことを、「改製原戸籍」といいます。

「改製原戸籍」は、正しくは「かいせいげんこせき」と読みますが、「はらこせき」と呼ばれることもあります。

相続人調査を正確に行うには専門家に任せるのがベスト

遺産分割が無効となるリスクを防ぐためには、あらかじめ戸籍をたどって調査を行い、きちんと相続人を確定する必要があります。

戸籍を読み取るためには、法的なノウハウが必要となります。相続人の調査を正確に行うためには、専門家にご依頼されることをお勧めいたします。

特に、下記のようなケースは相続関係が複雑となりますので、専門家にご依頼されることを強くお勧めいたします。

離婚歴や再婚歴がある場合

結婚や離婚をすると、新しく戸籍を作り直します。戸籍を作り直すということは、本籍地を移動したり、戸籍に記載されている人物が変動するということです。

このため、お亡くなりになった方に離婚歴や再婚歴がある場合は、戸籍の記録が何度か変動していることになります。相続人の漏(も)れをふせぐためには、特に慎重に調査を行う必要があります。

親も子どももいない場合

お亡くなりになった方に子どもがおらず、ご両親も既に他界されている場合は、兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。兄弟姉妹も既に亡くなっている場合は、姪(めい)や甥(おい)が相続人となる可能性があります。

姪も甥もいない場合は、特別縁故者(とくべつえんこしゃ)が遺産を引き継ぐ可能性があります。

いずれにしろ、ご両親も子どももいない場合は、多くの戸籍を取り寄せる必要があり、相続関係図が複雑となります。通常の相続のケースよりも、特に注意して相続関係の調査を行わなければいけません。

被相続人よりも先に相続人が亡くなっている場合

被相続人よりも相続人が先に亡くなっている場合、代襲相続(だいしゅうそうぞく)の問題が発生します。

代襲相続とは、「相続人となるはずの人物が既に亡くなっている場合に、その子どもや孫が代わりとなって相続をする」という制度です。

ご両親よりも先に子どもが亡くなった場合は、代襲相続について検討しなければいけません。代襲相続は、専門家でも判断が難しい問題です。通常の相続よりも複雑な相続となりますので、相続関係の調査は専門家にご依頼されることをお勧めいたします。

なお、代襲相続については、「代襲相続はどのような場合に発生するのか?」で説明していますので、詳しくはそちらをご覧ください。

再婚相手の連れ子と暮らしている場合

再婚相手の連れ子が相続人となるためには、「法律上の親子関係」が必要です。実の親子同然に一緒に暮らしていても、養子縁組をしていなければ、相続人とはなりません。

ただし、養子縁組をしていない場合であっても、連れ子と生計を共にしている場合は、法定相続人がいないときは、その子どもが特別縁故者(とくべつえんこしゃ)として遺産を引き継ぐ可能性があります。

このように、再婚相手の連れ子と一緒に暮らしている場合は、通常よりも相続関係が複雑となるため、相続関係の調査を慎重に行わなければいけません。

また、再婚相手の連れ子と養子縁組をしている場合にも、注意が必要です。その養子が既に死亡している場合には、養子の子どもが代襲相続をするかという問題が生じます。

再婚相手の連れ子と一緒に暮らしている場合は、様々な法的問題が生じる可能性があります。相続関係を正確に把握するためには、専門家にご依頼されることをお勧めいたします。

相続人の調査でお悩みの方は当事務所までご相談ください

遺産分割の話し合いは、必ず「相続人全員が参加すること」が必要です。1人でも欠けていると、その遺産分割協議は無効となります。

相続人の1人だけでも参加していないことが発覚すると、その遺産分割には法的な効力はありません。改めてその相続人を呼び出して、一から話し合いをやり直さなければいけません。

このようなリスクを避けるためにも、遺産分割を行う際には、「あらかじめ戸籍の記録をきちんと調査して、正確に相続人を確定しておくこと」が重要です。

戸籍を読み解くためには、法的なノウハウが必要となります。相続関係図を作成するうえでも、法的な専門知識が必要となります。

このため、今から相続人調査を行うことをご検討されている方は、正確な調査を行うためにも、専門家にご依頼されることをお勧めいたします。

当事務所では、日頃から相続の案件に力を入れており、これまでに数多くの相続調査を行った実績がございます。相続関係の調査でお悩みの方は、どうぞ安心して当事務所にご相談ください。

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