不動産の遺産分割方法について(換価分割・代償分割・共有分割)

不動産の遺産分割方法には4種類ある

相続財産に不動産が含まれている場合、どのように遺産分割するのでしょうか?現金は簡単に分割することができますが、不動産は簡単に分けることができません。

今回は、「不動産を相続した場合にどのように分割したらよいか」について解説します。

なお、今回ご説明する方法は、あくまで一般的な方法です。不動産の場所や築年数によって、状況は異なります。不動産の遺産分割には臨機応変な対応が必要となりますので、具体的なアドバイスをお聞きしたいという方は、当事務所までご連絡ください。

不動産の遺産分割についてのご相談は、初回60分のみ無料で受け付けております。お悩みの方は、ご予算を気にすることなくお気軽にご相談ください。

不動産の4種類の分割方法

不動産を遺産分割する方法には、4種類あります。「現物分割」「代償分割」「共有分割」「換価分割」です。

現物分割とは不動産をそのまま分割する方法

一番シンプルな方法は、「現物分割(げんぶつぶんかつ)」です。現物分割とは、不動産を相続人の一人が単独で取得するような場合や一筆の土地を2等分に分筆し、それぞれを二人の相続人が単独で取得するような場合です。
例えば、兄弟2人が駐車場を相続したケースを考えてみましょう。現物分割では、土地の面積が等しくなるように2分割し分筆登記をして、それぞれの土地を兄弟が単独で取得する場合です。

現物分割のメリット

現物分割は、不動産に手を加える必要がないため、相続人がそのままの状態で不動産を取得することができます。不動産を誰かに売却する必要がないため、売却する手間もかかりません。

このようなメリットがあるため、民法では現物分割が原則とされています。

現物分割のデメリット

現物分割の最大のデメリットは、「不動産を均等に分割することが難しい」という点です。

駐車場のように平らな土地であれば、簡単に分割することができます。しかし、マンションや一軒家の場合は、平等に分割することは困難です。

例えば、2階建ての一軒家を相続したケースを考えてみましょう。

1階と2階で分けようとしても、「2階の方が1階よりも狭いので不公平である」という不満や、「2階を使うためには1階の玄関を通らなければいけないので、2階だけ相続しても使い勝手が悪い」などの問題が生じます。

このように、一軒家やマンションを平等に分割することは困難です。現物分割が向いているのは、駐車場や空き地など、簡単に分割ができる不動産に限られます。

換価分割とは遺産を売って現金を分ける方法

「換価分割(かんかぶんかつ)」とは、不動産を第三者に売却して、そのお金を均等に分割するという方法です。

売却の方法は任意売却と形式競売があります。任意競売の場合、一般的には、不動産会社に依頼します。不動産会社に依頼する場合は、仲介手数料がかかります。

買い手に心当たりがある場合は、不動産会社を通さず、その人に直接売ることも可能です。直接売却する場合には、仲介手数料がかからないため、費用の節約になります。

換価分割のメリット

換価分割では、1円単位で完全に平等に分けることができます。すっきりと分けることができるため、相続人間にわだかまりが残りません。

また、売却した不動産は第三者のものとなるため、不動産を管理する手間がなくなります。売却後には、固定資産税を支払う必要もなくなります。

換価分割のデメリット

換価分割は、遺産である不動産を売却することになりますので、その不動産に相続人の一人が居住しており、そのまま住み続けたいような場合は難しくなります。
換価分割は「不動産の買い手が見つかること」が大前提の手続きです。駅近くの新築マンションなど、需要が高い物件であれば、すぐに買い手が見つかります。

しかし、築年数の古い物件や、不便な場所に建っている物件は、なかなか買い手が見つかりません。

何ヶ月経っても買い手が見つからない場合は、売却価格を大幅に値下げしたり、費用をかけてリフォームをするなどの対策が必要となります。いずれにしろ、高いコストがかかります。

このように、換価分割には、「売れるまでに時間がかかる」「時間をかけても売れないかもしれない」というリスクが伴います。

どれくらい時間がかかるかは、実際に売りに出さないと分かりません。このため、いつ遺産分割が終わるのかを予想することもできません。

代償分割とは金銭で代償を支払う方法

代償分割(だいしょうぶんかつ)とは、「相続人の1人が不動産を取得して、不動産を取得しなかった他の相続人に対して、相応の金銭を支払う」という方法です。

例えば、兄弟2人で実家のマンションを相続するケースを考えてみましょう。長男が実家に住み続けることを希望しており、次男が希望していないのであれば、代償分割が最適です。

マンションの価値が3,000万円であれば、長男がマンションを相続したうえで、次男に対して1,500万円を支払います。

代償分割のメリット

代償分割は、相続人の1人が不動産を取得したいと考えている場合に、その希望をかなえることができます。不動産を取得しない人も、適正な金銭を受けることができるため、気持ちよく不動産を譲ることができます。

このため、相続人間に不平等が生じることがなく、お互いに不平や不満を感じることもありません。

不動産を売却する必要も無いため、売却するための費用もかかりません。

代償分割のデメリット

代償分割では、不動産を相続する人が、他の相続人に対して相応の金銭を支払わなければいけません。先ほどの例では、長男が1,500万円を支払わなければいけません。もし長男に貯金が無ければ、代償分割を選択することはできません。

また、相続人の誰かが「不動産を取得したい」と思っていることが大前提です。そもそも誰も不動産が欲しいと思っていない場合は、代償分割を選択することはできません。

つまり、「相続人の1人が不動産を欲しいと思っている」という条件と、「その人に十分な資力がある」という2つの条件がそろっていることが必要です。

共有分割とは相続人同士で不動産を共同で所有すること

「共有分割(きょうゆうぶんかつ)」とは、法定相続分にしたがって相続人全員で不動産を共有することです。

一般の方にとっては、「共有(きょうゆう)」という言葉は聞き慣れない言葉かもしれません。共有とは、「共同で所有する」ということです。

つまり、不動産を誰かのものとするのではなく、「全員で所有して、全員で管理をする」ということです。

相続人が兄弟2人である場合は、「持ち分を2分の1ずつ」として共有します。兄弟3人の場合は持ち分を3分の1ずつ、兄弟4人の場合は持ち分を4分の1ずつとして共有します。

共有分割のメリット

共有分割は、4つの分割方法の中で最も手続きが簡単です。売却する手間もかかりませんし、不動産を適正に評価するための査定も必要ありません。

代償分割のように、相続人間で金銭を支払う必要もありません。

法定相続分に従って持ち分が決まるため、計算方法もシンプルです。不動産登記も簡単に済ませることができます。

共有分割のデメリット

相続人全員で不動産を共有することには、使い勝手の悪さが伴います。相続人全員の合意がなければ売却することはできませんし、リフォームをすることもできません。

不動産が古くなったとしても、全員の承諾が無ければ、建て替えをすることもできません。

つまり、不動産について何かあるたびに、相続人全員で話し合いを行わなければいけません。マンションを貸し出して賃料収入を得ようと思っても、まずは全員で話し合い、「誰に貸すか」「いつまで貸すか」「いくらで貸すか」等について合意しなければいけません。

せっかく遺産分割が終わったというのに、不動産のことで逐一集まらなければいけないというのは、億劫(おっくう)なことです。全員で話し合うことが煩(わずら)わしいために、不動産が放置されるということも珍しくありません。

いずれの分割方法でも、遺産分割協議書を作成することが重要です

不動産の分割方法には4種類ありますが、どの分割方法を選ぶかは、相続人の話し合いによって自由に決めることができます。

いずれの方法を採用する場合でも、必ず「遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)」を作成しておきましょう。

遺産分割協議書とは、「話し合いの内容を記録するための書類」です。不動産を売却する際や、不動産の名義変更の際に必要となります。また、相続税を支払う際の申告書類として提出が求められることもあります。

遺産分割協議書は、法的に重要な書類です。将来のトラブルを防ぐためにも、法律の専門家である弁護士にご依頼されることをお勧めいたします。

当事務所では、これまでに数多くの遺産分割協議書を作成した実績があります。不動産の遺産分割協議書の作成をご検討されている方は、安心して当事務所にお任せください。

不動産の相続でお悩みの方は弁護士にご相談を

不動産を遺産分割する方法には、4種類あります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがありますので、ご自身のケースに応じて判断することが必要です。

ご自身にとってどの方法が良いのか分からないという方は、当事務所までお気軽にご相談ください。不動産の遺産分割についてのご相談は、初回60分のみ無料で受け付けておりますので、お悩みの方はお気軽にご相談ください

当事務所では、司法書士と連携して相続トラブルの解決にあたっておりますので、遺産分割をご依頼された場合には、不動産の名義変更までサポートすることが可能です。

相続の手続きには期限が定められているものもありますので、なるべくお早めにご相談ください。

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