相続する不動産はどう評価するのか?

不動産を遺産分割する場合、「不動産をどのように評価するか」が重要となります。

不動産の価格によって、各相続人の取得分が異なってくるからです。
このため、「どのような計算方法で評価するのか」や、「誰に頼んで評価してもらうか」が、重要なポイントとなります。

そこで今回は、不動産の「評価方法」について解説します。「不動産の計算方法はややこしそうだ」と考えている方も、今回は具体例を交えて分かりやすく説明していますので、どうぞお気軽にお読みください。

なお、「自分の土地について具体的なアドバイスが聞きたい」という方は、当事務所までご相談ください。不動産の相続についてのご相談は、初回60分のみ無料で受け付けておりますので、ご予算を気にすることなくお気軽にご相談ください。

不動産評価には4つの評価方法がある

不動産の評価方法には、4種類あります。「実勢価格」「公示価格」「相続税評価額」「固定資産税評価額」です。

「実勢価格」とは時価のこと

日常生活で私たちが目にすることが多いのは、「実勢価格(じっせいかかく)」です。実勢価格とは、時価(じか)のことです。時価とは、実際に市場で取り引きされる金額のことです。

例えば、近所に新しいマンションが建ったときに、折込チラシに「新築マンション2LDK、3,000万円」と書かれていることがあります。この「3000万円」という価格が、「時価」つまり「実勢価格」に近い金額と考えてよいでしょう。

実勢価格は不動産鑑定士によって不動産鑑定をすることになります。
しかし、不動産鑑定士による不動産鑑定は費用がかかることから、代替方法として、不動産業者による無償査定による金額を利用することが多いといえます。

「公示価格」とは国が発表した適正な価格のこと

公示価格(こうじかかく)とは、「国が適正な価格として公に発表した金額」です。

一般の方にとって、不動産の取り引きは馴染み(なじみ)のない世界です。マイホームを購入する際に、「果たしてこの値段は適正なのだろうか」と不安に思っても、不動産の知識が無ければ、正確な判断することはできません。

そこで、国土交通省は、一般の方が不動産の取り引きをする際の参考となるように、標準となる価格を発表しています。この標準となる価格が、「公示価格」です。

なお、公示価格はあくまで「参考の価格」として発表される数値です。実際に売買される価格は、公示価格よりも高くなる傾向があります。

公示価格の算定は、不動産鑑定士(ふどうさんかんていし)によって行われます。不動産鑑定士とは、不動産の価格を算定する専門家です。

「相続税評価額」とは相続税を決定するための評価額のこと

3つ目の評価方法は、「相続税評価額(そうぞくぜいひょうかがく)」です。

不動産を相続した方が一番心配なのは、相続税の支払いではないでしょうか。相続税の金額は、どのようにして決まるのでしょうか?

相続税の金額は、「相続税評価額」によって決まります。相続税評価額とは、国税庁が決定する不動産の価格です。

相続税評価額は、不動産に面している「道路」を基準として計算します。大きな道路に面している土地や、複数の道路に面している土地は、使い勝手が良いため、評価は高くなります。

このように、道路を基準として評価するため、「路線価(ろせんか)」や「相続税路線価(そうぞくぜいろせんか)」とも呼ばれます。

相続税評価額は、公示価格よりもやや低めとなる傾向があります。公示価格が「売買」を想定しているのに対して、相続税評価額は「税金」を念頭にした評価方法だからです。

「固定資産税評価額」とは毎年支払う税金を決定するための評価額のこと

4つ目の評価方法は、「固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)」です。

不動産に関する税金は、2種類あります。「相続税」と「固定資産税」です。

相続税は、不動産を相続した人が支払う税金です。これに対して、固定資産税は、不動産を所有する人が毎年支払う税金です。

つまり、固定資産税は、遺産分割によって不動産を取得した人だけが支払う税金です。不動産を取得しなかった人は、固定資産税を支払う必要はありません。

それでは、固定資産税の金額はどのように決まるのでしょうか?

固定資産税は、「固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)」によって決まります。これは、市町村が発表する不動産の価格です。

こちらも道路を基準として算定されるため、「固定資産税路線価(こていしさんぜいろせんか)」とも呼ばれます。

固定資産税評価額は、3年ごとに発表されます。遺産分割を行う年に発表が無い場合は、時点補正率によって修正した数値を使います。

どの不動産評価を選んでも問題はない

それでは、遺産分割を行う際にはどの評価方法を使うべきなのでしょうか?

遺産分割審判になった場合、裁判所は不動産を遺産分割時の実勢価格(時価)で評価します。しかし、相続人間の話し合いや遺産分割調停では、相続人全員が納得していれば、どの評価方法を選んでも問題はありません。

評価方法を決める際のポイント

4つの評価方法を自由に選ぶことができるというものの、どの評価方法を選ぶかによって、金額は大きく異なります。場合によっては、数百万円から数千万円ほどの差が出ることもあります。

評価方法の選び方で損をしないためにも、下記では評価方法を選ぶ際のポイントを紹介します。

「公示価格」と「相続税評価額」は、毎年1月1日時点での価格を表したもの

公示価格や相続税評価額は、発表される年の1月1日時点での不動産価格を算定したものです。

もしもその後に新しい駅ができたり、新しい道路が開通するなど、不動産の価格を大きく左右する事情がある場合には、時価とは大きく乖離(かいり)します。

このような場合は、最新の景気動向を反映した評価方法として、実勢価格を選択することになります。もしくは、遺産分割協議を休止して、次に公示価格や相続税評価額が発表されるまで待つことになります。

遺産分割が長引いた場合には計算し直さなければいけないことがある

実勢価格は、景気によって常に変動しています。遺産分割の話し合いが長引いた場合には、その間に実勢価格が大きく変わってしまうことがあります。

このため、実勢価格を用いて遺産分割をする場合は、話し合いを行っている間に実勢価格が変動していないかについて、常に注意していなければいけません。

公示価格や相続税評価額は、1年に1度しか発表されないため、年度の途中で急に変更されることはありません。また、発表される時期が決まっているため、その時期だけチェックすれば良いので安心です。

借地権の評価を忘れないように注意しましょう

土地を所有している場合に限らず、他人から土地を借りている場合も、財産権として評価の対象となります。これを「借地権(しゃくちけん)」といいます。

借地権は目に見えないものなので、つい忘れてしまいがちになってしまいますが、場所によっては数百万円から数千万円の価値があります。遺産分割の際には、忘れないように注意しましょう。

借地権の相続とは、どのような場合に起きるのでしょうか?

例えば、実家が他人の土地の上に建っており、この実家を相続する場合を考えてみましょう。

土地は他人のものであるため、その土地を相続することはできません。しかし、「土地を借りる権利」は相続の対象となります。

つまり、相続の対象となるのは、「一軒家そのもの」と「一軒家に住むために土地を使う権利」の2つです。この「土地を使う権利」のことを「借地権」と呼びます。

借地権の評価は、「借地権割合」を用いて計算します。借地権割合とは、国税庁が借地権を評価するために発表している数値です。

各相続人によって評価方法が異なるのでトラブルの原因となりやすい

遺産分割の際には、どの評価方法を使うかについて争いが生じることがあります。どの評価方法を採用するかを決めないままに話し合いを行っても、いつまで経っても遺産分割は終了しません。

早期解決のためにも、不動産の相続で揉(も)めている場合は、お早めに弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

当事務所は日頃から相続の解決に力を入れており、不動産の遺産分割のトラブルを多数取り扱った実績があります。不動産の遺産分割についてお悩みの方は、安心してご相談ください。

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