代襲相続はどのような場合に発生するのか?
代襲相続とは相続人の子や孫が代わりに相続できる制度
相続の制度で特にややこしいのが、「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」です。
代襲相続とは、「相続人となるはずの人物が既に亡くなっている場合に、その子どもや孫が代わりとなって相続をする」という制度です。
今回は、どのような場合に代襲相続が問題となるのかについて具体例を交えて説明し、代襲相続のルールについて分かりやすく解説します。
なお、下記はあくまで一般的なご説明です。代襲相続は複雑な仕組みとなっていますので、状況に応じてケースバイケースに判断することが必要です。ご自身の相続について具体的なアドバイスをお聞きしたいという方は、当事務所までお気軽にご相談ください。
当事務所には、弁護士経験20年以上の実績のある弁護士が在籍しており、これまでに数多くの代襲相続のご相談をお受けした実績がございます。代襲相続についてお悩みの方は、どうぞ安心してご相談ください。
代襲相続が認められる場合とは
代襲相続とは、相続人となるはずの人物が既に亡くなっている場合に、その子どもや孫が代わりとなって相続をするという制度です。
例えば、ある男性が亡くなった場合に、その男性の子どもが既に死亡していたとしても、その男性の孫が健在である場合には、その孫が相続人となります。
代襲相続は、相続人となるはずの人物が既に亡くなっている場合に限りません。下記のようなケースでも、代襲相続が発生します。
相続廃除された場合も代襲相続が認められる
亡くなった方に対して重大な侮辱(ぶじょく)をした人や、亡くなった方を虐待した人は、相続人としての資格を失うことがあります。この制度を「相続人廃除(そうぞくにんはいじょ)」といいます。
例えば、親のお金を無断でギャンブルにつぎこんで借金を繰り返している放蕩息子(ほうとうむすこ)や、長年愛人と暮らしていて家事や育児を一切手伝わなかった夫は、相続人廃除の対象となります。
相続廃除は、あくまで「その人物が個人として相続人としてふさわしくない」という制度です。その人物が相続人の資格を失っても、その人物に子どもや孫がいる場合は、その子どもや孫が代襲相続をすることができます。
相続欠格の場合も代襲相続が認められる
亡くなった方に対して重大な不正を行った人は、相続人となることができません。
例えば、亡くなった方を殺害しようとした人や、亡くなった方の遺言を勝手に書き換えた人は、相続人となる資格を失います。
このように、遺産を相続することがふさわしくない人について、相続人の資格を剥奪(はくだつ)することを、「相続欠格(そうぞくけっかく)」といいます。
相続欠格者は、相続人としての立場そのものを失いますが、その人物に子どもや孫がいる場合は、代襲相続が生じます。
相続放棄の場合は代襲相続できない
上記で説明したとおり、相続廃除や相続欠格の場合は、代襲相続が認められます。これに対して、相続放棄をした場合は、代襲相続をすることはできません。
相続放棄とは、「相続人としての地位そのもの」を失う手続きです。つまり、相続放棄をすると、「元々相続人ではなかったもの」とみなされます。
よって、相続放棄をした人物に子どもや孫がいたとしても、その子どもや孫が代襲相続をすることはできません。
代襲相続人が複数いる場合は本来の相続人の取り分を分配する
代襲相続人となる人物が複数いる場合は、どのように遺産を分配するのでしょうか?
例えば、ある男性が亡くなった場合に、その男性の息子は既に死亡しているものの、孫として男の子と女の子が1人ずついる場合を考えてみましょう。
このように代襲相続人が複数いる場合は、「本来の相続人の取り分をそのまま分ける」ということになります。
上記の例では、本来相続人となるはずだった人物は、「亡くなった男性の息子」です。息子の取り分を計算したうえで、その取り分を2人の孫で半分ずつに分けます。
考え方のポイントは、「代襲相続人が何人いても、総額は増えない」という点です。
代襲相続は、あくまで「本来の相続人の代わりに遺産を受け取る」という制度です。よって、本来の相続人の取り分以上に、遺産を受け取ることはありません。
養子になった時期によっては養子の子どもも代襲相続できる
養子縁組をした子どもであっても、養子の子どもが代襲相続をすることはできるのでしょうか?
例えば、再婚相手の連れ子を養子とした場合に、その連れ子に子どもがいるというケースです。連れ子の子どもは、代襲相続をすることができるのでしょうか?
実は、代襲相続ができるかどうかは「養子縁組をした時期」によって異なります。
養子縁組をした後に生まれた子どもは、代襲相続することができます。養子縁組をする前に生まれた子どもは、代襲相続をすることができません。
養子縁組をした後に生まれた子どもは、養親の遺産について期待する可能性が高いため、代襲相続が認められています。
これに対して、養子縁組をする前に生まれた子どもは、養親の遺産を期待する可能性が低いため、代襲相続が認められていません。
もしも、養子縁組をする前に既に生まれていた養子の子どもに遺産を分け与えたい場合には、遺言や生前贈与によって財産を渡すなど、何らかの対策が必要です。
代襲相続でお悩みの方は当事務所までご相談ください
代襲相続は、相続するはずの人が先に亡くなった場合に、その人の代わりに相続をするという制度です。代襲相続が発生すると、相続関係が複雑となるだけでなく、遺産の分配割合の計算もややこしくなります。
このように、代襲相続が関係する相続の手続きは複雑となりますので、相続問題に精通した専門家にご依頼されることをお勧めいたします。
当事務所では日頃から相続の案件に力を入れており、これまでに代襲相続の案件を数多く取り扱った実績がございます。代襲相続についてお悩みの方は、どうぞ安心して当事務所にご相談ください。
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